爪痕を残せたのか?~2016 J3 第19節 カターレ富山戦

オーロラビジョンに映し出された数字にこつ然とわき起こった1万人を超える大歓声に場内アナウンスの音は完全にかき消された…。
この「南長野1万人チャレンジ」に向けた裏方さんたちの企画立案から試合当日までの忙殺ぶりは想像にたやすい。
事実、東奔西走して10,377人を集客したという達成感は何にも替えがたいものがあると思われる。
本当にお疲れさまでした。
しかし「1万人チャレンジ」は言わば劇薬だ。故にシーズン中に何度も処方できない。
この1万人の集客の効能が一過性でついえるのか、それとも新たなリピーターを生む起爆剤になるのかは多分に選手たちの闘志にかかってくる。
裏方さんは今季最上の舞台を整えた。あとはその舞台上の「俳優」が観客を魅了するしかない。
この勝ち点「1」が裏方さんが流した汗に報いることができたかどうかは、これからの集客数を注視していく必要があると思われる。
大事なのは1万人が集まったことではない。(むろんそれも大事だが…)
いかに1万人の心に爪痕を残せたかどうかだ。

2016 J3 第19節は7月31日、南長野運動公園総合球技場でカターレ富山を迎えて午後5:00キックオフ。
筆者が直近で長野の試合を観たのは第9節(5月)までさかのぼる。
その頃はため息をしぼり出すことしかできない程、お寒い試合内容の連続だったが、今は雲泥の差だ。
前半は圧倒的に攻めまくっていたし、シュートがポストに阻まれたり、残念な部分もあったが得点の臭いがプンプンしてワクワクする内容だった。
接触プレーに寛容な主審であったため、試合も順調に流れていった。(前半のロスタイムは0分!)
だが、決められそうな時に決められないのが今年(今年に限らずか…)の長野の悪癖なのか、地力なのか無得点で前半を終える。
そんな中にあって、ホーム初先発の橋本選手の「危機管理能力」は流石ベテランだ。時にセンターライン付近で相手を潰し、時にパスをカットして危険を新芽のうちに摘み取っていく作業を淡々とこなし続けていた。
後半に突入すると突如として富山が「ギヤを上げた(弊班SE談=激しく同意)」。ロングボールを多用しだして集団がみるみる活性化した。長野は一転して防戦一方に追いやられる。善後策として早い時間から運動量の豊富な塩沢選手を、更にドリブラー菅野選手を逐次投入して攻撃力と主導権の回復を試みたが、既に活性化を許してしまった相手に対し、後手に回ってしまった感は否めない。
スコアレスドローで試合終了。

長野にも後半、無理矢理にでも「ギヤを上げられる」瞬間はあった。選手たちが「1万人」をいつの段階で認知したのかはもちろん知るよしもないが、試合終盤、観客が「1万人」を認知して上げた大歓声を触媒に奮い立ってほしかったし、「これからの集客」を考えれば、その責務もむろんある。
しかし、相手を圧迫し、圧倒せしめるだけの「ほとばしる闘志」を筆者はついぞ感じ取ることはできなかった。
アウェー戦自走運行係 記