夕空のクライフイズムはどこへ ~ 2016 J3 第27節 グルージャ盛岡戦



前節FC琉球に敗れ、いよいよ昇格への望みが裁ち切れそうな、本当にぎりぎりのさらにぎりぎりな状況の中、J3第27節グルージャ盛岡との一戦がホーム南長野で行われた。

試合開始早々、細かいパスを繋ぎ人数をかけて長野陣内に攻め込む盛岡。信念がすっと一本通っているような、迷いのないパスが繋がり鋭くも美しい軌跡が芝生に刻まれて行く。

若さなのか、勢いなのか、想いなのか。強さなのか。

そんな盛岡の姿勢にびんたをくらったかのように目を覚ました長野も守勢から攻勢に徐々に転じていく。



のんびりと空を流れる雲。ふりそそぐ陽射し。

タオマフを頭から掛けないと眩しくて直視できない。そしてその陽射しは両チームの内包する何かをさらけ出すかのように、真夏のように陰影を強め、青々としたピッチの上にその姿をさらけ出していく…。

もう細かい試合展開はあまり憶えていないのだけれど、前半後半を通じて推進力なく、決めきれず、もがき、あがき、苦しむ長野の姿は、日が落ちていくにつれて伸びる影のように、その暗さをただただ増していく様だった。

結局試合はスコアレスドローで終わった。おそらく昇格へのチャレンジも終わった。

と、書いてふと思う。本当にチャレンジしていたのか…と。

まぁいい。

光を失っていくその姿を見て胸に込み上げてきたのは、幼い頃秋の黄昏時にふと寂しさに心を覆われるような、そんな切ない気持ち。

試合後、挨拶に来た選手達に向けられた拍手にはもう希望のかけらはなく、ただ、ただ、ねぎらいの気持ちだけ。おそらくバックスタンドはそんな微妙な空気、何とも言えない寂しさに包まれていたのではないだろうか。

あと2試合で今シーズンも終わる。

放課後、真っ暗になるまでサッカーボールを追い続けた、あのまっすぐな気持ちはどこにいってしまったのだろうか。



なーんてね。



班長 記
  


2016年11月02日 Posted by バクスタしゃなな班 at 12:23Comments(0)